Difficlutyについて

Difficultyに関するご質問を頂いたので私たち競プロフレンズとしての見解を述べておきます。
本来であればアライさんを筆頭とした、精力的に競プロをされているアニマルガールの方々に説明をしてもらった方がよいことかもしれませんが、kyopro_friendsとしての表明ということで、私、ミライが代表してお話しさせていただきます。
これから説明する内容はあくまでkyopro_friendsの見解であり、他のwriterの方々や、AtCoder社の見解ではないことに注意してください。

・Difficultyの逆転は良いことだと思うか
良いことではありませんが、避けられるものでもありませんし、必要以上に避けようとするものでもありません。
避けられるものではない、ということについてはまたあとでご説明します。
避けようとするものではない、というのは例えば、310ではD,Eの難易度が逆転していますが、この結果を知った上で再度同じ問題を出すとしても、私たちはこの2問の順序を入れ替えようとは思わないでしょうという意味です。

・Difficultyと配点のどちらを見るべきか
基本的にこの2つには強い相関があるので、どちらを見ても結果はほとんど同じになるはずです。ほとんどの問題では解く方の得意不得意次第で変わる程度の差しかないと思います。
難易度とdifficultyが大きく離れている問題に関しても基本的には配点の方を信じてほしいところですが、本当にまれにある313Fのような難易度想定ミスの問題や、ABC288のように難易度が高くなっているセットなどもあるので、difficultyを目安に解いた方が精進はスムーズだと思います。



さて、difficultyの逆転は避けられるものではない、という話をしましょう。

まずはコンテストでの立ち回りについて考えてみます。
ABCが始まって開始70分時点でE問題までをACしました。実力的に残り30分でFGを両方解くのは無理です。配点はF問題が500点でG問題が600点です。
G問題の方が配点が大きいので、G問題が解けるならG問題を解いた方が得です。つまり
・FGどちらも解けなければレート-20
・Fが解ければレート±0
・Gが解ければレート+20
となります。FとGどちらに手をつけますか?

もちろんコンテスト本番中には「Gが解ければレートがいくら上がるか」を正確に予測することは困難ですし、自分がF,G問題を解ける可能性を正しく見積もることも困難なので、どちらを選ぶのが正しいとも一概には言えません。

ではもしF問題が500点、G問題が525点で他は先程と同じ状況だとどうでしょうか?

一見すると全く同じ状況に見えますが、「writerは、F問題とG問題の難易度の差は小さいと思っている」という情報が増えています。
ということは、先程の状況よりもG問題を解こうとする人が増えるでしょう。

このように、配点を細かくしたことで問題間の(想定)難易度の差が示されることは、「1つ飛ばして次の問題を解く」ことにインセンティブを与えます。
したがって、仮に問題が正確に難易度順に並んでいたとしても、difficultyが逆転する可能性は以前に比べ高くなります。
また、中盤までにFGの逆転が起こってしまえば、E問題までを解いた人にとって「F問題を解いても順位が対して上がらない」という状況になるため、G問題に手を付ける理由が増し逆転は加速します。
よって、特に配点の差が小さい問題が並んでいる箇所では、今後もdifficlutyの逆転は頻繁に起こると考えられます。



最後に、ABC301以降で逆転が起きた回について確認しておきましょう

301~315(15回)
315 D > E
313 F > H (FGは配点が同じ)
312 E > G (EFは配点が同じ)
310 D > E
307 C > DE
(304 D>E) 差100未満

このうち明確に難易度想定ミスと言えるのは313Fくらいでしょう。
315Dも簡単ではありませんが、E問題とここまで大きな難易度差がある問題には思えませんし、307もD問題が比較的簡単だったので、CDが逆転することまでは理解の範疇ですが、E問題と逆転するような問題にはとても思えませんね。